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スペイン政権樹立問題 与党国民党マリアノ・ラホイ党首が再選 10か月ぶりに組閣へ

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Rajoy consenso


スペイン下院議会は29日、与党国民党マリアノ・ラホイ暫定首相の信任投票で、賛成170票、反対107票、棄権73票でマリアノ・ラホイを首相に選出した。


長い長い暫定政権に終止符を打った下院議会の首相信任投票の投票結果は、与党国民党(137票)、市民党(32票)、カナリア連合(1票)であった。 これにより賛成多数で国民党による少数政権が発足される。


大規模な国民党を中心とした汚職が発覚、急進左派ポデモス党や中道右派市民党などの新興勢力が登場し、左派スペイン社会労働党(PSOE)は議席を大きく失い、幹事長が辞任する等、激動のスペイン政権樹立までの長い道のりをまとめてみた。


2015年12月20日、スペイン上下院任期満了による総選挙が行われた。 この時の各政党の獲得議席数は


国民党 123議席

PSOE 90議席

ポデモス党 69議席

市民党 40議席


全体で350議席ある下院議会で、首相選出のためには176議席が必要である。 国民党は2011年の総選挙の186議席から大きく議席を減らした。  一方、急進左派ポデモス党と中道右派市民党は初めての総選挙で第三党と第四党になり、四つ巴の連立協議が開始された。


総選挙後、スペイン国王フェリペ6世は憲法に則って下院議会各会派の代表と会談、誰が首相候補としてふさわしいかを検討し始める。 


2016年1月22日、国王は全ての会派の代表らと謁見を終えし、慣例通り第一党で与党の国民党党首マリアノ・ラホイを首相候補として指名した。  この日までにマリアノ・ラホイは各政党とも会談を行っており、連立の可能性を探っていた。 しかし結局、連立の可能性がないということで、国王に首相候補として指名を受桁にもかかわらず、指名を「辞退」するという異例の事態が発生する。 マリアノ・ラホイは各会派から「無責任」だと非難をうけることになる。



これを受け国王は、新たな首相候補を策定するため2回目の謁見を開始。 2月2日、謁見を終了した国王は、今度は最大野党スペイン社会労働党(PSOE)ペドロ・サンチェス元幹事長を首相候補として指名。 



この地点で首相として選出されるためには国民党+PSOE、ポデモス党+市民党+PSOE、ポデモス党+自治州自治権拡大賛成派の地方政党ら+PSOEとなった。



PSOEは以前より、自治州の自治権拡大(発言する権利 : 独立を問う住民投票の実施)に関して反対の姿勢を見せており、これらに賛成するポデモス党と独立賛成派と連立を組まないと明言した。 



左派パブロ・イグレシアス幹事長がPSOEに歩み寄るも、これをはねのけ、2月24日に中道右派市民党と「首相信任投票で賛成を投じる契約」が交わされる。 これは、カタルーニャ州の独立機運が高まっている中、市民党とPSOEの間で独立反対、憲法改正、自治州制度を連邦制度にするという点で合意に至ったため。



協力体制がPSOEと市民党のみという中、3月2日に下院議会で首相信任投票が実施された。  投票結果は賛成130票(PSOE90票 市民党40票)、反対219票、棄権1票という散々な結果となる。



48時間後に行われた2回目の信任投票でも賛成131票(PSOE90票 市民党40票 カナリア連合1票)、反対219票の反対多数で首相選出が失敗に終わった。



混迷するスペインの政権樹立問題で、スペイン国王は日本と韓国への3月の訪問を4月に延期、両国間のワーキングホリデーに関する同意書の締結等を行う予定であった。  国王が直前にキャンセルしたことによる影響は少なくなかったと、日本側の関係者は語っている。



PSOEが連立交渉を続ける中、国民党マリアノ・ラホイ党首はあくまでも国民党主導の政権樹立を目指すということでPSOEの歩み寄りを拒否。 一方、PSOEは「発言する権利」賛成派のポデモス党との連立を拒否。 政治的停滞が長期化の様相を呈する。



4月12日、スペイン国王フェリペ6世は暫定政権中3回目の謁見を行うと発表



4月25日、26日に国王が下院議会各会派の代表らと謁見。 出戻り総選挙が現実味を帯びる中、最後の最後にバレンシア州に本部がある地方政党コンプロミス党が「プラド合意書」を提案。 30の項目からなるプラド合意書は、PSOE、ポデモス党、左翼連合などの左派政党で連立を組むという苦肉の策だった。


しかし結果的に26日夜、フェリペ6世は当時の下院議会議長パチロペス(PSOE)に「首相候補者無し」と異例の判断を下した


これにより出戻り総選挙が決定した。


5月2日 国会解散


5月20日に、左翼連合(IU)エクオ、ポデモス党が合同会派を設立。 下院議員の選出の人数決定に手間取るも、最終的に合意しロゴも決定。 ポデモス党の得意な他政党を吸収して、減った議席数を増やす戦法が明らかに。



6月26日 出戻り総選挙実施される。 選挙結果は


国民党 137議席(+14)

PSOE85議席(-5)

ウニードス・ポデモス党 71議席 (新)

市民党 32議席 (-8議席)



ポデモス党に関しては、2015年の総選挙から2議席増やしているものの、合同会派として出馬しているため、実質的には大幅に議席を減らしている。 このため、国民党が一人勝ちとなった形となったが、絶対過半数の176議席に今回も届かず、引き続き連立協議を続けざる負えなくなった。


2回目の総選挙後、勝利宣言を行ったマリアノ・ラホイではあるが、前回と同様首相候補指名を受諾するかどうかに注目が集まっていた。


今回の総選挙後も憲法に則ってスペイン国王フェリペ6世が各会派の代表と謁見、7月28日に首相候補を与党国民党マリアノ・ラホイ暫定首相に決定した。 指名を受けたラホイ暫定首相は記者会見の中で「スペインの経済回復基調の維持、またカタルーニャ州議会の分離独立に向けたスペインへの挑戦に立ち向かうべく、一刻も早い政権樹立を目指さなければいけない。」と発言するも、「政権樹立に向けた連立協議を行う責任を負う。」と発言し、首相候補指名を「受諾」することは棚上げした。



これに対し、各会派から再度「無責任。」「受諾するかしないかを言明しないのは憲法違反である。(実際は違反ではない。)」などと批判を受ける。



連立協議を進めるマリアノ・ラホイ暫定首相は、市民党と「首相選出のための合意」を取り付ける。 これにより、下院議会で169議席を獲得することになる。 ただ、今回の合意も、以前PSOEと行った合意と同じように再々総選挙を回避するために信任投票で「賛成」票を投じるというもので、国民党の政権には参加しないと発言していた。



国王の首相候補指名から21日後の8月18日、アナ・パストール下院議会議長(国民党)は、首相信任投票を8月31日に行うと発表した。 これは、「もし組閣が失敗したときに(首相選出が失敗したときに)12月25日に再々総選挙を行わなければならない。 そのようなことになったのは、野党のせいである。」という国民党の巧妙な圧力のかけ方であった。(のちに言い出しっぺである国民党により提出された特別選挙法が可決され、12月25日の総選挙は回避された。)



8月31日、下院議会で行われた首相信任投票は賛成170票、反対180票で選出失敗。 48時間後に行われた2回目の信任投票でも賛成170票、反対180票で、首相選出が失敗した。



マリアノ・ラホイ暫定首相が首相に選出されなかったことを受け、国王による新たな首相候補指名に注目が集まったが、9月5日、「今のところ謁見は行わない。」「再々総選挙を回避するために各会派で話し合うよう。」要請した。



この時期、9月25日にガリシア州とバスク州で行われる州選挙に政治家らの興味が移り、州選挙の結果で首相選出を行うという暗黙の了解が決められる。



ガリシア州選挙では、PSOEのガリシア州支部PSEGが4議席を失い、バスク州選挙では7議席を失う大敗退。



2回の総選挙、2つの州選挙で敗退し、更に政治的停滞を招いているとして、PSOE党内からペドロ・サンチェス元幹事長に対し不満が募り始める。 



PSOEに激震が走ったのは9月28日。 PSOE最高幹部会である連邦委員会の執行役員35人のうち17人が突然辞任した。 これにより、PSOEは連邦委員会会議を10月1日に決行した。 過半数以上(18人)が空席となった場合は新たに幹事長を選出しなければならないという党則に則り、ペドロ・サンチェス元幹事長は党大会を開いて幹事長選挙を行うと主張。 反ペドロ・サンチェス派は、「すでにペドロ・サンチェスは幹事長ではない。 決定権は何もない。」と反発。 怒号が飛び交う中、結局(ペドロ・サンチェス在任中の)党大会の開催が否決され、ペドロ・サンチェスは責任を取って幹事長を辞任した。



その後、PSOEは幹事長代理委員会の元再々総選挙を回避するために、マリアノ・ラホイ暫定首相の首相再選容認に動いていき、10月23日PSOE連邦委員会が開催され、PSOEは首相信任投票で棄権票を投じることが決定された。



そこで、国王は再度各会派代表らと謁見し、マリアノ・ラホイ暫定首相を再度首相候補として指名。 アナ・パストール議長は10月27日に首相信任投票を実施すると発表した。 (組閣期限は10月31日)



10月27日下院議会は首相信任投票を実施、国民党、市民党、カナリア連合の賛成で170票を獲得するも、絶対過半数に届かず、48時間後の10月29日に二回目の信任投票が決定した。



10月29日12時30分、PSOEペドロ・サンチェス元幹事長が突然下院議会議員を辞任、マリアノ・ラホイ暫定首相の再選を認めないことと、PSOE本部の決定に従うことを両立する行動にでた。 これにより、ペドロ・サンチェスは下院議員でも無くなり、いち党員となる。



ポデモス党支持者たちが呼びかけた大規模なラホイ再選反対運動が国会の外で行われている中、29日18時30分、下院議会で首相信任投票が行われ、賛成170票、反対111票、棄権68票でマリアノ・ラホイが首相に再選した。

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