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スペイン政権樹立問題 8月30日からの首相選出投票を楽しむためにおさらい

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昨年12月20日以降暫定政権が続いているスペイン国では、明日8月30日から首相選出投票に伴う討論会が下院議会で行われます。


なぜ9か月間にわたって内閣が成立していないのか? 各会派の思惑など、今回の首相選出投票を楽しむためにおさらいしていきます。


まず、スペインの組閣までの流れは以下の通りです。



-国会議長など、下院議会執行役員会の決定


-下院議会席順の決定


-スペイン国王が下院議会の各政党代表と会談


-スペイン国王が首相候補指名


-首相候補指名の受諾


-首相選出投票日の決定


-下院議会で首相選出投票開催 議会で176票の「賛成票」で首相決定


-最初の首相選出投票で首相選出に失敗した場合、単純多数決で首相決定(賛成票が反対票を上回るのみ)



スペイン国の上下院の任期は4年。 前回2011年11月20日に総選挙が行われたので、2015年12月20日に 総選挙が行われました。 その時の下院議会での結果は以下の通りです。


国民党(PP) 123議席 (-63議席)

スペイン社会労働党(PSOE) 90議席(-20議席)

ポデモス党 42議席(初)

シウダダノス党(C´s) 40議席(初)



これをうけて、スペイン国王フェリペ6世が各代表と会談を行いました。


与党国民党が第一党となったこともあり、2016年1月22日、フェリペ6世は国民党党首マリアノ・ラホイを首相候補として指名。 しかしマリアノ・ラホイは「現在はまだ首相になる状態ではない。」と発言し、 首相候補を辞退しました。


異例となる首相候補辞退を受けて、フェリペ6世は再び各会派代表と会談を行います。  1月27日から始まった会談は2月2日のマリアノ・ラホイ暫定首相を最後に終了、今度は最大野党スペイン社会労働党(PSOE)のペドロ・サンチェス幹事長を首相候補として指名しました。


ペドロ・サンチェス幹事長は首相候補指名を" 受諾"組閣を目指して各政党と連立協議に動き出します。


市民党とPSOEに間で、憲法改正を含む5項目に関して話し合われ、ペドロ・サンチェス幹事長の首相選出投票で 「賛成票」を投じることが2月24日に決定しました。


ペドロ・サンチェス幹事長は首相選出投票を3月1日から行います。 これによりこの日から2か月以内に組閣することが義務付けられました。


また、PSOEは急進左派ポデモス党とも会談を行っていますが、カタルーニャ州独立問題で物別れ。 ポデモス党の協力を得られないまま首相選出投票に挑むことになります。


PSOEは 一回目首相選出投票で、賛成130票、反対219票、棄権1票で、選出失敗。 48時間後に行われた二回目の首相選出投票でも賛成多数で選出が失敗、パチ・ロペス下院議長が国王に投票の結果を報告します。


国王フェリペ6世は3度目の各政党代表らとの会談を行いました。 各政党では水際まで プラド合意などの連立協議が勧められましたが結局破たん、国王は「首相候補無し」という異例の発表をしました


5月3日、6月26日に 再総選挙を行うと発表


5月13日に左翼連合(IU)、EQUO、ポデモス党が合同会派 ウニードスポデモス党(Unidos Podemos)を結党します。


総選挙前の世論調査で、ウニードスポデモス党が 第二党に躍進するという結果が出て話題になります。(CISの結果はこちら)


6月13日、討論会の出席を頑なに拒否してきたマリアノ・ラホイ暫定首相が、 主要4党が出席する討論会に出席し話題になります。


6月26日総選挙が行われ、国民党が14議席伸ばし137議席を獲得、注目されていたウニードスポデモス党は第三党、市民党は8議席を失うなど、新興勢力が敗退し、国民党が唯一議席を伸ばしました。


自治州別に見ると、独立機運が高い州を除いて、国民党がほぼすべての州で勝利しています。

再度国民党が第一党となったことから、マリアノ・ラホイ暫定首相が首相候補に指名される可能性が濃厚になります。 市民党、国民党はPSOEに対し、首相選出投票に「棄権票」を入れるよう要請しますが、PSOEは「反対票」を入れると反発します。


7月20日に下院議会の議長を含む執行役員会が選ばれます。 国民党は市民党に対し、下院議会副議長及び秘書の席を譲る代わりに、首相選出投票で「賛成票」を投じるように働きかけます。


また、副議長選出の際、国民党(137票)と市民党(32票)の169票にさらに10票加算された179票が「賛成票」として投票され、地方政党が秘密裏に国民党と連立を組んだのではと、"謎の10票"が話題になりました。


国王フェリペ6世は各政党の代表と4回目の会談を行い、7月28日にマリアノ・ラホイ暫定首相を再度首相候補をとして指名します


同日、マリアノ・ラホイ暫定首相は国王からの首相候補指名を受け会見を行いましたが、指名を正式に"受諾"せず、「首相選出に十分な協力を得られるように努力する責任を負う。」と発表し、首相選出投票を辞退する可能性を残す発言を行います。  また、各政党から「憲法違反だ。」「無責任だ。」との声が上がりました。


前回PSOEと協力していた市民党は、今度は国民党に対し、"首相選出投票"で「棄権票」から「賛成票」に変えるための話し合いを始めるための汚職撲滅のための改革案6項目を提出、更に首相選出投票の日にちの決定を要請します


この市民党からの提案に、8月18日、国民党は首相選出投票の日にちを8月30日から行うと発表、更に8月19日に市民党からの6項目を承認しました。 8月30日に設定した理由として、もし3回目の総選挙が行われることになれば、12月25日になるため。 嫌がらせともとれる日にちの設定に、PSOEやポデモス党が批判します。


この間も国民党と市民党は、PSOEとウニードスポデモス党に「棄権票」を投じるよう要請し続けますが、どちらも「反対票」を入れると堅持します。


また、8月18日にポデモス党パブロ・イグレシアス幹事長がPSOE主導の政権を支持する発言を行いましたが、翌日PSOEはポデモス党との連立を考えていないと発表しました。


市民党と国民党は、"首相選出投票"で「賛成票」を投じるための150項目で合意し、8月28日に合意書に署名、国民党は169議席を確保しました。 また、カナリア連合党(1議席)も「賛成票」を投じると発表しており、合計で170議席を獲得。 これを受けマリアノ・ラホイ暫定首相は、29日に最大野党スペイン社会労働党(PSOE)のペドロ・サンチェス幹事長と会談を行うと発表します。


9月29日、午前中から会談を行ったマリアノ・ラホイ暫定首相とペドロ・サンチェス幹事長の話し合いは物別れに終わり、PSOEは「反対票」を投じると発表、マリアノ・ラホイ暫定首相は「170票を持って首相選出投票を行う。」と発言します。


明日8月30日の首相選出投票の"討議"は16時から行われる予定で、マリアノ・ラホイ暫定首相のみが発言する予定。 31日に各政党が首相候補と質疑応答を行い、午後(夜にかけて)に投票、開票が行われる予定です。


31日の首相選出投票の大方の予想は


170票 「賛成」

180票 「反対」

0票  「棄権」


ですが、下院議会執行役員会選出で浮上した「謎の10票」の行方にも注目が集まります。


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